フィクションです

22:38の山手線にて

 

 

入れ替わり立ち替わりの環状線

ぽつんと取り残されたビニール傘みたいに

どこかに置き忘れたわたしの感情

 

こんなに人が溢れているのに

孤独を感じるのはどうして

 

愛もクソもない生活

幸せがなにかを本当はわかっている

 

それでもわたしはただずっとこうやって

変わっていく車窓をぼんやり眺めていたいんだ

 

誰でもよくないどこかのあなたが拾ってくれるまで