現実があまりにもクソ過ぎるため、まだマシであるクソインターネットへ現実逃避していた17歳
周りがキラキラとしたJKライフ(笑)を過ごしている中、わたしは容姿コンプに苛まれて、ずっとずっと暗い部屋に引きこもっていた たまに援助交際をしに家を抜け出して、抱くために添えられた空っぽな甘い言葉と今となっては何の価値もないお小遣いをおじさんたちから与えられていた あのとき、スマホの液晶画面だけがわたしを唯一照らしてくれる光だった
SNSではとにかく「死にたい」と、毎日毎日書き込んでいた
そんなクソ溜めばかりが集まるSNSにいる人たちは、わたしと同じようにみんな寂しそうだった
その時に繋がったネカマの引きこもり、彼は女の子のフリをしてずっと投稿していた
繋がった当初はわたしも女の子だと思っていたが、共通の繋がりがある子から「あいつネカマだよ」「通話するときとかボイチェン使ってるし」と教えられて、へ〜そうなんだと思っていた
そんなネカマの彼とは特別仲が良いわけでもなく、お互いそっと見守り合っているようなそんな関係性だった
でもコロコロとお互いアカウントを変えるため、疎遠になり、疎遠になっても別に思い出すことはなく、記憶の片隅にもいないくらいの存在だった
そしてそこから10年近くが経ち、あんなに「死にたい」と言っていたわたしはなんだかんだで生きている
整形をしてあの頃よりはマシな容姿を手に入れて、自分で稼いだお金で学校を卒業し、就きたい仕事に就いて、猫と平和に暮らしている
希死念慮に苛まれる夜もまだ全然あるけど、本当にマシになった
そしてSNSがバズった
すると見覚えのあるアイコンの人から「淫蕩ちゃん?」とDMが来た
"淫蕩ちゃん"は昔「死にたい」と大量に書き込んでいた頃のハンドルネームで、DMをくれた彼はその頃繋がっていたあのネカマだった

わたしはとにかくビックリして、彼の近況を聞いた
ネカマの引きこもりを辞めて、今は上京して好きな仕事に就いて働いているらしい
「引きこもりを辞めて行動したら、色んな縁に恵まれて今はこういう仕事してるよ〜」と仕事の話を詳しくしてくれて、まるで自分のことのように嬉しくなってしまった
わたしは馬鹿みたいにずっと「すごい!」「本当にすごい!」と連呼していた
何が偉いとかは勿論ないけれど、自ら選んで行動して生活を掴み取っていくということの尊さを改めて実感して、自分もこの苦悩した時間は無駄じゃなかったのかなと思えて少しだけ泣きそうになった
とにかく彼が健やかに過ごせるように、それをただ今は祈っている
わたしもこの死にたさを抱きしめながら、わたしの生活を送っていきたいと思った
クソ溜めの中でも光り輝くものはちゃんと、あるね、液晶画面の向こう側にあったね